不思議なチカラを持つ兄と、その弟の物語。
新進気鋭の若手政治家の躍進とリンクするように、
兄弟は数奇な運命を辿ることになる。
日本の政治への風刺も含みながら、
それ以上に、考えることを捨てたこの国の国民への
痛烈なメッセージであると受け取れるだろう。
兄が頭の中で反芻する、
「考えろ、考えろ」
というマクガイバーの台詞は、その最たるもの。
日本国民の、これでいいや、という性質には
確かに閉口させられる部分は多い。
考えてるつもりでも、その思考の源泉が
情報操作されたTVから得た知識であったり、
信憑性に乏しいネットから得た情報であったりする。
もっと、自分の目で見て、自分の頭で考えること。
日本国民には、それが必要だ。
じゃないと、結局は、私利私欲に突き動かされている人たちに
利用されて終わるだけだ。
とはいえ、一番いい登場人物は、弟の彼女かな。
彼女の持つ感覚と、甲斐甲斐しさと、逞しさ。
それがなかったら、ここまでの読後感はなかったと思う。
星は、4つ。
直前に読んだ、「ゴールデンスランバー」より良かった。